(流体力学的)きのこの第1仮説

きのこの傘で何が起きるのか

【注意】
この話は科学に無知な筆者が付け焼き刃の知識を基に書いた、いわゆるエセ科学と同等の記事で、内容的な正確性は未検証です。

Fig.1-1

きのこには様々な形のものがありますが、中でも目立つのはドーム状の傘を持ったものでしょう。[Fig.1-1] これには胞子を雨の直撃から守るとともに、胞子(担子器)を広い面積に配置できる長所があると思われますが、胞子を風で拡散させるという目的に対してはどんな効果があるでしょうか。

序章(第0仮説)ではしばしば見受けられる揚力説に疑問を投げかけましたが、まず揚力の話は一旦忘れて、ドーム状の物体に風が当たった時に空気の流れがどうなるのかを一から考えてみましょう。

Fig.1-2

話を単純化するために、きのこの周囲の空気の流れが周囲の草などによってかき乱されていない、整った気流(層流)であると仮定します。この時流体の粘度が極めて低ければ(レイノルズ数が小さい)、気流は層流のまま曲面に沿って流れて行きます。[Fig.1-2]

Fig.1-3

しかし実際には空気には粘性があるため、表面付近では流れの遅い層(境界層)ができます。境界層は表面に近いほど速度が遅いために速度勾配により摩擦抵抗が生じますが、流れは摩擦抵抗により次第に速度が落ち、ある点に達すると流れが抵抗に負けて速度が0になり、さらに先では逆転してしまうのです。[Fig.1-3]

この時、流れが逆転した部分では層流とは逆方向の流れが発生し、層流は表面から引き剥がされてしまいます(はく離)。はく離が起きるとその後方では不規則な渦が発生(乱流)が発生します。[Fig.1-4]

Fig.1-4

そしてこれからが本題です。傘の下側から放出された胞子は、Fig.1-2のようにもし乱流が発生しなかった場合、真横に流されると予想されます。これでも無風状態よりは遠くに胞子を飛ばすことが可能ですが、全く乱れのない層流では上に舞い上がることはなく、緩やかに放物線を描きながら下に落ちて終わるのではないでしょうか。

しかし、風下側に大きな乱流が発生している場合、層流との境界でも流れが不規則に混じり合い、横に流された胞子が巻き上げられて、より遠くに飛ばされる可能性が出てくるのではないでしょうか。

これが流体力学的きのこの第1仮説、きのこの傘の風下側に発生した乱流により、傘裏から放出された胞子が巻き上げられるというものです。いかがでしょうか。


【この仮説における問題点】

  • 森や草むらに生えているきのこに対して、層流をモデルとして説明することが適切なのか
  • 層流、乱流、はく離は航空機など高速移動する物体を説明するものであるが、これを微風下で静止したきのこに適用するのが正しいのか

【参考文献】(敬称略)

『流れのふしぎ』遊んでわかる流体力学のABC
日本機械学会編 石綿良三・根本光正著(講談社ブルーバックス)

『鳩ぽっぽ』初心者のための航空力学講座
Oki (https://pigeon-poppo.com)

『機械設計エンジニアの基礎知識』流体力学の基礎を学ぶ
MONOWEB (https://d-engineer.com/monoweb.html)

『楽しい流れの実験教室』
日本機械学会 流体工学部門 (https://www.jsme-fed.org/experiment/index.html)


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