夫婦できのこ探索や写真を撮りはじめ、やがて編みきのこを作るようになってから今年で約15年。きのこ写真は増えて編みきのこ作品も100点を超えたので、ここで記念に何か作ろうと無謀にも自費出版できのこ本を出すことに。 そん無謀…
『役に立たないきのこの本』作りました
硬質菌の突き抜け物件考
様々なきのこの中に俗に「硬質菌」と呼ばれているものがあります。一般的には「サルノコシカケみたいなきのこ」と言ったほうが通じるかもしれませんが、コフキサルノコシカケやカワラタケなど、よく倒木や老木の幹に生えてくるきのこです。
(流体力学的)きのこの仮説 終章
きのこと揚力と胞子散布の関係が気になって、年末年始にふと流体力学の入門書を手に取ったのをきっかけに、気が付けば膨らむ妄想のままに第1仮説から第10仮説まで、勢いに任せてぶち上げてしまいました。
(流体力学的)きのこの第10仮説
数あるきのこの中には胞子の詰まった袋状の器官を持ち、そこから胞子を空中に吹き出す方法を採るものがいます。これらの多くは袋に落下する雨粒の衝撃を利用するものですが、直接風を利用しないきのこにも流体力学は使用されているのでしょうか。
(流体力学的)きのこの第9仮説
第8仮説では虫を使って胞子を運ばせるスッポンタケ科のきのこにおける気流の役割について考察しましたが、スッポンタケ目にはもう一つ大きな勢力としてアカカゴタケ科のグループがあります。形の奇妙なスッポンタケ目の中でもアカカゴタケ科のきのこの奇抜さは中でも群を抜いており、その形状については説明不能なレベルとすら思えるのですが、流体力学をもってその奇想天外なデザインの一端を解き明かすことはできないでしょうか。
(流体力学的)きのこの第8仮説
第1仮説から第7仮説までは、きのこが風を使っていかに効率的に胞子を散布するかを検証して来ましたが、きのこの中には胞子を直接飛ばすのではなく、昆虫などの生物を利用して運ばせる、いわば植物の虫媒花のようなグループがいます。これらのきのこにも流体力学は関係するのでしょうか。
(流体力学的)きのこの第7仮説
第1仮説から第6仮説では様々なきのこの形や生え方を例に挙げて、流体力学の観点から説明を試みましたが、じつは傘の裏側については都合よく条件を無視したまま進めて来てしまいました。しかし胞子散布への貢献を考察しながら、いつまでも肝心の胞子の出所を無視するわけには行きません。風は傘の裏側でどう作用するのでしょうか。
(流体力学的)きのこの第6仮説(補)
これまでの仮説では地上生のきのこについて考察してきましたが、きのこの中には樹上に生える種類も少なからずあります。胞子を散布するという目的は同じですから、この手のきのこも気流を利用しているものと考えられますが、地上生のきのこと同じ理論が通用するのでしょうか。
(流体力学的)きのこの第6仮説
ここまでの仮説は、傘と柄のあるきのこを想定し、傘の裏側から放出された胞子が地面に落ちるまでの間にいかにして巻き上げるかという方向性で考察を行ってきました。しかしきのこの中には柄が極めて短く、ほぼ地面に貼り付いているような種類がいます。その代表的なものがベニタケの仲間ですが、これらは稀な種類どころかむしろ一大勢力となっており、除外して考えるわけには行きません。この手の極めて背の低いきのこはいかにして種族の繁栄を果たしたのでしょうか。
(流体力学的)きのこの第5仮説
ここまでの第1仮説から第4仮説では、きのこが単独で立っていることを前提に考察を行って来ました。しかし実際のきのこを見ると、密集して生えていることも少なくなく、極端なものでは上の写真のイヌセンボンタケのように隙間なくびっしりときのこが並んでいるものもあります。このような場合でも流体力学の見地から胞子散布に対する有利さを説明し得るのでしょうか。
(流体力学的)きのこの第4仮説(補)
第4仮説ではきのこの柄の果たす役割について考察し、粗い表面構造によってはく離を遅延させて圧力抵抗を減少している可能性について説明しました。しかしハナオチバタケなど一部の小型菌では柄の表面が平滑なものがあり、これについてはどう考えるのがよいでしょうか。