
【注意】
この話は科学に無知な筆者が付け焼き刃の知識を基に書いた、いわゆるエセ科学と同等の記事で、内容的な正確性は未検証です。
きのこのデザインは流体力学的に理にかなっている、という話を見聞きしたことはないでしょうか。その内容は飛行機の翼と揚力の関係になぞらえた上のような図とともに、きのこの傘が揚力を生むことで胞子をより遠くに飛ばすことができる、というものかと思います。
私もその手の記事を見てなるほどとは思ったのですが、いっぽうで物理学が苦手なこともあり、いまひとつ釈然としないものがありました。それは次の二点に関してです。

- 飛行機の翼と同様なら、傘の形状はドーム型ではなく翼のような長い棒なのではというものです。だとするとそれを支える柄も板状にならざるをを得ず、胞子散布の障害となってしまいます。[Fig.0-1]
※これに関しては私の誤解で、ドーム状でも揚力は発生するようです。

- 揚力がどう胞子散布に貢献するのか因果関係が見えにくいこと。きのこ自体が飛んで胞子をばら撒くわけではないので、傘の上に生じる揚力が傘の下から出る胞子の散布に有利というのは、まるで風が吹けば桶屋が儲かるような話に思えてくるのです。[Fig.0-2]
※傘の上に厚膜胞子ができるヤグラタケであれば例外的に揚力の恩恵を受けられるかもしれません。
そしてこれらの疑問を解消するためには、流体力学を少し学ぶべきではないかと考えたのです。かくして私のような者でも理解できそうな平易な本を手に取ったのですが、読み進むうちに疑問が氷解するどころか、むしろあれもこれも流体力学で説明できるのではと、次々と妄想が湧き始めてしまいました。
これらの妄想はやや大仰ながら「仮説」という形で次章以降に紹介して行きます。科学に素人の私が考えたモノなので、十中八九は間違いなのだろうと思ってはいますが、どこがどう間違いなのかを知るだけでも興味深いものがありますので、もしご教示いただける方がいらしたら幸いです。
【もくじ】
- (流体力学的)きのこの第1仮説 〜 きのこの傘で何が起きるのか
- (流体力学的)きのこの第2仮説 〜 傘のイボイボがもたらすもの
- (流体力学的)きのこの第3仮説 〜 揚力よさらば
- (流体力学的)きのこの第4仮説 〜 きのこの柄は必要悪か
- (流体力学的)きのこの第4仮説(補) 〜 厄介者も使いよう?
- (流体力学的)きのこの第5仮説 〜 密なきのこに風は吹くのか
- (流体力学的)きのこの第6仮説 〜 地を這うきのこには訳がある
- (流体力学的)きのこの第6仮説(補) 〜 樹上生きのこにも風は吹く
- (流体力学的)きのこの第7仮説 〜 いざ旅立ちの時
- (流体力学的)きのこの第8仮説 〜 臭いものに風
- (流体力学的)きのこの第9仮説 〜 臭いの臭いの飛んでけー!
- (流体力学的)きのこの第10仮説 〜 究極の胞子噴射装置
- (流体力学的)きのこの仮説 終章 〜 風の使い手たち